こんにちは。えたばりゅです。
今回は、犬や猫たちペットの手術の前後のケアとして、私たち飼い主が気を付けておかねばならないことをご紹介したいと思います。
中には、大切なペットたちの命に関わる重大なこともありますので、ぜひぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
元動物保護施設スタッフが教える、犬、猫の手術の前後に私たち飼い主が気を付けるべきこと

最近は不妊手術というものも大分浸透してきていることもあり、愛犬、愛猫たちの手術というものが身近になった気がします。そして、その手術の実行日の前後一日はペットが無事手術を終えるために飼い主様の方で、ご注意していただくことがあり、今回はペットたちの手術前後のケアの注意点についてご紹介したいと思います。
愛犬・愛猫の手術前後に気を付けるべきこと1.絶飲食

まず挙げられるのが、手術当日の前の日と、手術が終わったその当日の絶飲食があります。こちらについては、手術を行う日程が決まったあたりに、獣医さんの方から注意事項としてご指示があります。(術後入院が必要な場合でも、病院では前夜は絶飲食になります。)
これは手術時麻酔をかけた際、胃の内容物の逆流し、誤嚥(本来胃に運ばれるべきものが気管などに入ってしまう事です。)を防ぐために行っていただく処置です。手術時、胃に内容物が残っているとそれが逆流することがあり、その内容物が食道に詰まったりすることがあります。
通常の状態であれば、咳き込んだり、えづいたりして、内容物を吐き出すことができますが、手術中は麻酔がかかっているためそれを吐き戻すことができず、窒息してしまう事もあるため非常に危険です。
ですので、手術当日は胃の内容物をしっかりとなくすために獣医師さんは絶飲食をお願いするというわけです。
手術後にも絶飲食が必要な理由

ではなぜ手術が終わった後も、その翌朝くらいまで絶飲食をしなければならないか。
手術が終わって麻酔から目が覚めて歩いたりしていれば、飲食をさせてもいいんじゃないの??
って思われると思います。
ところが手術後麻酔から覚醒していても、愛犬や愛猫たちの手術時は全身麻酔を施しますので意識はしっかりと戻っていても体や内臓の各機能はしっかりと覚醒していない可能性がある為です。
このような状態で摂飲食すると、何らかの原因で入ったものを吐き戻そうとしたとき、麻酔効果がまだ残っており、吐き戻そうとしても上手く吐き戻すことができず、気管に詰まらせてしまう可能性があります。そうなってしまうと手術の時と同じで、呼吸をすることができず非常に危険に陥ります。
稀に、あくまで稀にですが、手術を頑張ったご褒美として。もしくは前2日間何も口にしていないのでかわいそうだから。ということで、獣医さんの言いつけを破ってしまい、給餌してしまう飼い主様がおられます。
お気持ちはメッチャわかりますが、上記の事例をご覧いただくと、これ、マジで危険っていうのがお判りいただけるのではないでしょうか。
ですので絶飲食の指示が獣医師さんからあったなら、それはしっかりと守っていただけたらと思います。
愛犬・愛猫の手術前後に気を付けるべきこと1.エリザベスカラーをしっかりと愛犬・愛猫に着用する
そしてもう一つは手術後のケアについて。手術という事ですので、当然執刀があります。その時にできる傷口を保護するために、エリザベスカラーというものを装着します。
このエリザベスカラー、単にカラーという事も多いですが、術後ペットたちが患部を舐めないよう首元に装着する、いわばガードです。稀にお顔が花のようになっている子を見かけることがあるのではないでしょうか。

こういうのです。
なぜ患部を舐めるとまずいかというと、愛犬や愛猫の口の中には雑菌も多く含まれており、舐めると傷口が化膿してしまい、患部の治りが遅れてしまいます。
また、そのような口で患部を頻繁に舐めてしまうと、雑菌がどんどん体内に入っていってしまいます。これでも結構危険なうえ、愛犬・愛猫が患部を舐め続けると手術後の傷が開いてしまう事があるんですね。そして最悪の場合、傷口から内臓が出てきてしまう事もあります。
ただ、慣れないものを装着するので付けると大体どの子も

こんな顔になったり

こんな顔になったりします。

稀にこんな感じに全く気にしない猛者もいらっしゃいますが、大抵の場合は沈んだお顔になってしまいます。
そういったことで、外してしまう飼い主様がおられるのですが命の危険があるとすれば、どうでしょう。
傷口が開いてしまうと、また全身麻酔を施して再縫合しなければなりません。
そうなると、また愛犬・愛猫にツラい思いをさせてしまいますし、なにより全身麻酔は稀にそのまま目が覚めないこともあり、リスクを伴うものです。ただでさえ、そのようなリスクがある中、特にそのペットが高齢な場合、そのリスクはかなり高まります。
ですので、このエリザベスカラーは獣医師さんの外す許可が出るまでは継続して装着して頂ければと思います。
どうしても外さなければならないとき、例えばカラーを装着していることでご飯を食べないという事があった場合は給餌の際は外していただいても大丈夫です。
ただ、その場合絶対に目を離さないようにしていただくのと、給餌が終われば速やかにまた装着していただくのを忘れないようにしていただけましたらと思います。
先ほどのようなズ~~ンと沈んだ顔をされたり、カラーをしていることで歩きにくそうにしていると、飼い主様の心情としてはかわいそうだから外したくなりますよね。でもしておかないと治りが遅くなってしまったり、場合によってはそれとは比べ物にならないほどかわいそうなことになってしまう。と思っていただき、ぐぐっと我慢していただけましたらと思います。
エリザベスカラー業界も進むファッション性

エリザベスカラーと言えば、医療器具ということもあり、ファッション性などはっきり言って度外視でしたが、最近はその形状や色などもさまざまなバリエーションが生まれており、視覚的にも見てかわいらしい(もちろん私たち飼い主ですが・・・)ものが増えてきております。
花びらのような形状のもの。救命胴衣のような形状のもの。フライングディスクの真ん中にすっぽり穴をあけたような形状のもの。そして、その色も半透明の殺風景なものでなく、緑やら橙やら、有名キャラクターがデザインされたものやら・・・
ヘンな目線で申し訳ないのですが、やはりエリザベスカラーを購入するのはペットたちではなく、人たる飼い主なので、いかにしたら購入されるか。企業様側も色々と試行錯誤を重ねて頑張っておられるのだなと思います。
そして、何も進化しているのはそのファッション性ばかりでなく、エリザベスカラーの本来の役割ももちろん重視されており、従来のアンテナ状のエリザベスカラーに比べ、フライングディスク型のものは、円状になっているのでペットたちが摂飲食する際もエサ皿にコンコン当たってエサ皿が逃げて行ったり、そもそもお皿にエリザベスカラーがつっかえてしまって、摂飲食ができない。このようなことをなくすために工夫されたと思われるものもあります。
フライングディスク型のものは、通常のタイプとは違い、付けててもペットの視界には入らないんで、違和感も軽減されるみたいです。
では、愛犬・愛猫の手術が始まる前、そして手術を必死で頑張り、終えた後に私たち飼い主が気を付けるべき一番大切なことをご紹介したいと思います。
愛犬・愛猫の手術の前後に私たち飼い主が気を付けるべきこと3.それは心を鬼にすること

上記の2つのことで一番大切なことは、やはり私たち飼い主が心を鬼にするということ。ではないでしょうか。
- ツラい手術を頑張ったから、愛犬や愛猫の大好物をすぐに食べさせてあげたい。
- エリザベスカラーはつけてると嫌がるし、その辺に当たって歩きにくそうだから外してあげよう。
と思うのは、私たち飼い主としての心情としていわば当たり前の感情。
しかしながら、ご褒美は絶飲食が晴れて解除されてからでも思う存分ご馳走をあげることができますし、傷口を舐めてしまうことによって傷口が開いてしまうと、またペットたちを手術台に上げなければならないことにもなりかねません。
心を鬼にすること。私たち飼い主様としては、とてもとてもとても厳しい試練かと思いますが、手術は抜糸が終わり、通院が完了するまで続いていると思っていただけましたらと思います。
最後に
いかがだったでしょう。今回は私たちの超絶大切な愛犬・愛猫が手術をする前、頑張って手術を終えた後、私たち飼い主が気を付けるべきことを、500頭を超える犬・猫の手術に立ち会い、その前後のケアをさせていただいた経験からご紹介させていただきました。
私たち飼い主の役割は手術を頑張った愛犬・愛猫が一刻も早く元の健康的な生活を取り戻してもらうこと。
そのために、出来る最大限のお手伝いをしなければですよね。
この記事があなたの愛犬・愛猫とのかけがえのない暮らしのお役に立てれば幸いです。では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。